親知らずが腫れたときの対処法
こんにちは!まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。親知らずが腫れてしまうと、痛みや違和感でつらい思いをすることがあります。親知らずの周囲が炎症を起こす原因や、自宅でできる応急処置、そして歯科医院での治療について詳しく解説します。
親知らずが腫れる原因
親知らず(第三大臼歯)は、顎の奥に生えてくるため、正常に生えそろわないことが多く、炎症を起こしやすい歯です。腫れる主な原因として、以下のようなものが挙げられます。
- 智歯周囲炎(ちししゅういえん)
親知らずの周囲の歯ぐきに細菌が入り込み、炎症を起こすことで腫れや痛みが生じます。特に半分だけ生えている場合は、歯ぐきの隙間に汚れが溜まりやすくなります。 - 親知らずの虫歯
親知らずがまっすぐ生えておらず、歯みがきがしにくいため、虫歯になりやすく、進行すると歯ぐきが腫れることがあります。 - 歯ぐきの圧迫
親知らずが横向きに生えていると、隣の歯を押して歯ぐきに負担がかかり、炎症が起こることがあります。
自宅でできる応急処置
親知らずが腫れてしまった場合、すぐに歯科医院を受診することが理想ですが、痛みがひどいときは以下の方法で一時的に症状を和らげることができます。
✅ 口をしっかりすすぐ
・ぬるま湯で優しくうがいし、口の中の細菌を減らしましょう。
・市販の洗口液(ノンアルコールタイプがおすすめ)を使うと効果的です。
✅ 冷やす(氷や保冷剤を使用)
・腫れている部分の外側(頬)から冷やすことで、炎症の広がりを抑えることができます。
・保冷剤や氷をタオルに包んで10分ほど当て、休憩をはさみながら行いましょう。
✅ 痛み止めを服用する
・市販の鎮痛薬(イブプロフェンやアセトアミノフェン)を服用すると、一時的に痛みが和らぎます。
・ただし、薬の服用は一時的な対策であり、根本的な解決にはなりません。
✅ 刺激物を避ける
・辛いものや熱い食べ物、アルコール類は炎症を悪化させる可能性があるため控えましょう。
歯科医院での治療
自宅でのケアで症状が落ち着いても、根本的な解決には歯科での診察が必要です。親知らずの腫れが続く場合、以下のような治療が行われます。
- 洗浄と消毒
→ 炎症が起きている部分を丁寧に洗浄し、細菌の繁殖を抑えます。 - 抗生物質の処方
→ 細菌感染が進んでいる場合、抗生物質を処方して炎症を抑えます。 - 親知らずの抜歯
→ 炎症が繰り返される場合や、他の歯に悪影響を与えている場合、抜歯が推奨されます。
親知らずの腫れを防ぐために
・歯科定期検診を受ける
親知らずがどのように生えているか、レントゲンで確認し、トラブルが起こる前に対処できます。
・正しい歯みがきを心がける
親知らずの周りは特に汚れが溜まりやすいので、デンタルフロスや歯間ブラシを活用すると効果的です。
・早めに抜歯を検討する
親知らずが横向きや斜めに生えている場合、将来的に炎症を起こすリスクが高いため、早めに抜歯することを検討しましょう。
まとめ
親知らずが腫れたときは、まずは自宅での応急処置を行い、早めに歯科医院を受診することが大切です。特に、痛みが続く、口が開けにくい、熱が出るといった症状がある場合は、放置せずに専門の診察を受けるようにしましょう。親知らずのトラブルを未然に防ぐためにも、定期的な歯科検診を心がけましょう!
記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀