歯周病とたばこの関係について
こんにちは!まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。たばこと歯周病には密接な関係があることは、多くの研究で証明されています。喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病になるリスクが高く、またその進行も速い傾向があります。この記事では、なぜたばこが歯周病に悪影響を与えるのか、具体的なメカニズムや影響について解説します。
たばこが歯周病に与える影響
- 免疫力の低下
喫煙により、体の免疫システムが抑制され、歯周病菌と戦う力が弱まります。これにより、歯ぐきが細菌に対する抵抗力を失い、炎症が進行しやすくなります。 - 血流の悪化
たばこに含まれるニコチンが血管を収縮させ、歯ぐきへの血流が減少します。血流が悪くなると、歯ぐきの回復力が低下し、歯周病の症状が進行しやすくなります。 - 歯ぐきの色や質の変化
喫煙は歯ぐきに酸素と栄養を行き渡らせる機能を低下させ、歯ぐきが薄く、くすんだ色になることがあります。健康的な歯ぐきはピンク色ですが、喫煙者の歯ぐきは暗くなることが多いです。 - 歯周ポケットの深さの増加
喫煙により、歯と歯ぐきの間にできる歯周ポケットが深くなります。このポケットが深いほど、歯周病の進行リスクが高まり、歯を支える骨が失われてしまう可能性が高くなります。
喫煙者の歯周病治療への影響
喫煙者は、歯周病治療を受けても治りにくい場合が多く見られます。これは、たばこが傷の治癒を遅らせるためです。歯ぐきの手術やインプラント手術を行った場合でも、非喫煙者よりも治療効果が劣ることが分かっています。喫煙を続けている限り、歯周病の治療の成功率が下がるため、禁煙を勧めることが重要です。
禁煙がもたらすメリット
たばこをやめることで、歯ぐきの健康が回復し、歯周病の進行を遅らせることができます。また、禁煙することで治療の効果も向上し、歯や歯ぐきを健康な状態に戻す手助けとなります。禁煙後、数週間から数か月で歯ぐきの色が戻り、免疫力も改善されるため、歯周病のリスクが低減します。
まとめ
たばこは歯周病の大きなリスクファクターであり、歯ぐきや歯を守るためには禁煙が重要です。もし喫煙者であれば、歯科医と相談しながら禁煙を目指すことで、健康な歯ぐきを取り戻し、歯周病の進行を食い止めることができます。歯と歯ぐきの健康を守るためにも、早めの禁煙をおすすめします。
記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀