口呼吸が及ぼす悪影響について
こんにちは!まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。今回は口呼吸についてお話ししていきます。口呼吸は、鼻で呼吸する代わりに口から息を吸うことです。この呼吸方法が日常的に続くと、健康や口腔環境にさまざまな悪影響をもたらすことがあります。以下に、口呼吸が及ぼす代表的な悪影響を紹介します。
1. 口腔乾燥と唾液の減少
口呼吸を続けることで、口の中が乾燥しやすくなります。唾液は口腔内の洗浄や細菌の繁殖を抑える役割を持っていますが、口が乾燥するとその働きが弱まり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、口臭の原因にもなることがあります。
2. 歯並びの悪化(不正咬合)
特に子どもにおいて、口呼吸は歯並びに悪影響を与えることがあります。口で呼吸すると舌の位置が変わり、正常な発育が妨げられることがあり、その結果として歯列が乱れ、不正咬合の原因となることがあります。
3. 歯ぐきの健康への影響
口呼吸による口腔内の乾燥は、歯ぐきの炎症や出血を引き起こしやすくします。特に歯ぐきの保護に必要な唾液が減少するため、歯周病へのリスクが高まります。
4. 顔つきや発育への影響
特に成長期の子どもでは、口呼吸が顔の骨格や筋肉の発育に影響を及ぼす可能性があります。口を常に開けていることで、口周りの筋肉が正しく発達せず、顔つきが変わることがあり、「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔つきになることがあります。
5. 風邪や感染症のリスク増加
鼻呼吸は鼻毛や粘膜がフィルターとなり、空気中の細菌やウイルスを捕捉する役割を果たします。しかし、口呼吸ではその機能が失われるため、風邪や感染症にかかりやすくなると言われています。
6. 睡眠の質の低下
口呼吸が原因でいびきや睡眠時無呼吸症候群が引き起こされることがあります。これにより、十分な休息が取れず、日中の疲労感や集中力の低下を招く可能性があります。
口呼吸を改善する方法
口呼吸を防ぐためには、いくつかの方法が考えられます。鼻づまりなどの原因がある場合は、耳鼻科での治療を受けることが大切です。また、寝る際に口呼吸にならないようにするために、口閉じテープを使用することも有効です。さらに、歯科医院では口呼吸を改善するための装置やアドバイスを提供している場合もありますので、気になる方はぜひご相談ください。
口呼吸は、口腔環境だけでなく全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。早めに改善することで、健康的な生活を維持できるでしょう。
この記事を通して、口呼吸のリスクとその改善方法について知っていただければ幸いです。歯科医院では、口呼吸に関するお悩みや治療に関してもご相談を受け付けていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀