女性に多い歯周病原菌とその対策
こんにちは!まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。今回は、女性の皆さんに特に気をつけていただきたい「歯周病原菌」についてお話しします。歯周病は、歯茎や歯を支える組織に炎症が生じる病気で、悪化すると歯が抜けてしまう原因にもなります。近年、歯周病に関わる細菌の中には、特に女性に多く見られる種類があることがわかってきました。ここでは、なぜ女性に歯周病が多いのか、どのような菌が関係しているのか、またその予防法についてご紹介します。
なぜ女性に歯周病が多いのか?
女性に歯周病が多い理由は、ホルモンの変化が大きく関係しています。女性は思春期や妊娠、更年期といったライフステージでホルモンバランスが大きく変動しますが、この変動は歯周組織にも影響を及ぼします。特に、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは、歯茎の血流や免疫に関わり、歯周組織が炎症を起こしやすい状態を作り出します。
妊娠期や月経の影響で歯茎が腫れやすくなり、プラークや細菌が溜まりやすいことから、女性は歯周病にかかりやすくなるのです。
女性に多い歯周病原菌の種類
歯周病の原因となる細菌は数百種類以上と言われていますが、中でも以下の菌が特に女性に関わりやすいとされています。
- ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)
この菌は歯周病の進行に強く関わり、歯茎に炎症を起こし、骨の破壊を引き起こします。妊娠期に増加しやすく、女性の免疫バランスに影響を与えることがわかっています。 - フゾバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)
炎症を引き起こし、歯周ポケットを深くすることで知られる細菌です。この菌は、妊娠中の感染が早産のリスクを高めるとも言われています。 - トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)
歯周ポケットの深い部分で増殖しやすい菌で、骨や歯周組織を破壊する酵素を出します。免疫が低下しがちな更年期の女性で増加する傾向があるため注意が必要です。
歯周病から身を守るための予防法
女性ホルモンの変動は避けられませんが、日々のケアや定期的な受診によって歯周病のリスクを減らすことが可能です。
- 定期的な歯科検診
歯科医院で定期的にチェックを受けることで、歯周病菌の増加を早期に発見できます。特に妊娠中や更年期に差し掛かる年齢の方は、いつも以上に注意が必要です。 - 毎日の口腔ケア
歯磨きはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシを使用し、歯と歯の間に溜まる菌の繁殖を抑えましょう。また、洗口液も効果的に利用することで、細菌の増殖を防ぐことができます。 - 生活習慣の改善
規則正しい生活やバランスの良い食事、禁煙なども歯周病予防に効果的です。免疫力が高まると、細菌への抵抗力も増します。 - ホルモンバランスに合わせたケア
妊娠中や月経前後は特に注意が必要です。気になる症状があれば早めに歯科医院で相談し、適切なケアを受けましょう。
まとめ
歯周病は進行すると歯を失う原因になりますが、早期のケアと予防で大部分は防げます。特にホルモンバランスの変化が多い女性は、普段から口腔内のケアを丁寧に行い、歯科検診を欠かさないことが重要です。
健康な口腔環境を保ち、美しい笑顔で日々を過ごしましょう!歯周病が気になる方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀