予防歯科

【虫歯菌と赤ちゃんのおやつの関係】離乳食〜幼児期に気をつけたいポイントを歯科医が解説

こんにちは。まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。

赤ちゃんの虫歯は「仕方ないもの」と思っていませんか?
実は、虫歯菌とおやつの与え方には深い関係があります。
とくに0〜2歳は虫歯菌が定着しやすく、ちょっとした習慣が将来のむし歯リスクを大きく左右します。

本記事では、歯科医院として保護者の方に知っておいてほしい 虫歯菌と赤ちゃんのおやつの関係 をわかりやすく解説します。


◆ 赤ちゃんの虫歯は「虫歯菌がうつること」から始まる

赤ちゃんの口の中には、生まれたとき 虫歯菌(ミュータンス菌)は存在しません
多くは以下のようなスキンシップから大人の唾液を通じて感染します。

  • 食べ物の口移し
  • 同じスプーンを使う
  • 飲み物の共有
  • キス

そして虫歯菌が赤ちゃんの口に定着しやすい時期が 1歳半〜2歳半の「感染の窓」
この時期に砂糖の多いおやつを頻繁に食べると、虫歯菌が増えやすくなり、将来のむし歯リスクが一気に上がります。


◆ 虫歯菌が好む「砂糖」を含むおやつは要注意

虫歯菌は糖分をエサにして増殖し、**酸を作って歯を溶かす(脱灰)**ことで虫歯が発生します。

特に虫歯になりやすい赤ちゃんのおやつ

  • ボーロ、ビスケット類
  • 砂糖入りのジュース
  • 甘いパン(蒸しパン・菓子パン)
  • フルーツジュース
  • キャラメルやグミ(幼児が食べる場合)

これらは糖分が多いだけでなく、口の中に残りやすいのが特徴です。


◆ 「おやつの時間」が虫歯予防のカギ

おやつの内容以上に重要なのが 食べ方・時間の管理 です。

● ダラダラ食べは虫歯菌を増やす原因

虫歯菌は、食べ物が口に入るたびに酸を作ります。
ダラダラ食べや、常にジュースを飲む習慣があると、口の中がずっと酸性状態になり歯が溶け続けてしまいます。

● おやつは「時間を決めて短時間で」

  • 午前・午後の1日2回まで
  • 砂糖の強いおやつは毎日与えない
  • 水やお茶でリセットする

この習慣だけでも虫歯リスクは大幅に減らせます。


◆ 虫歯になりにくい赤ちゃんのおやつの選び方

歯科医院としておすすめしたいのは、以下のような“砂糖が少ない・噛む力を育てる”おやつです。

● 虫歯ができにくいおやつ例

  • さつまいも・かぼちゃ
  • おにぎり
  • ゆでとうもろこし
  • ヨーグルト(無糖)
  • チーズ
  • 野菜スティック
  • 果物(食べすぎ注意)

こうしたおやつは栄養もあり、赤ちゃんの顎の発達にもプラスになります。


◆ 赤ちゃんの虫歯を防ぐために今日からできる3つのこと

① おやつの時間管理をする

「ダラダラ食べ」と「甘い飲み物の常飲」は避けましょう。

② 親の口の中も清潔に

大人の虫歯菌がうつりにくくなり、赤ちゃんの虫歯リスクが減ります。

③ 歯が生えたら夜は必ず仕上げ磨き

仕上げ磨きは0歳からのむし歯予防の基本です。


◆ まとめ:おやつの選び方で赤ちゃんのむし歯予防は大きく変わる

赤ちゃんの虫歯は おやつの内容と食べ方 に大きく左右されます。
砂糖を含むおやつやダラダラ食べを避け、できるだけ自然な食材を選ぶことで、虫歯菌の増殖を抑えることができます。

当院では、赤ちゃんのむし歯予防についての相談や仕上げ磨きの方法指導も行っています。
気になることがあればお気軽にご相談ください。

記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀

044-750-7385