予防歯科

【赤ちゃんの歯磨きと上唇小帯】早めに知っておきたい正しいケアと注意点

こんにちは!まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。赤ちゃんのお口の成長はとても早く、「いつから歯磨きを始めればいいの?」「上唇小帯って切ったほうがいいの?」といった疑問は多くの保護者の方が抱えています。
この記事では 赤ちゃんの歯磨きの正しい始め方上唇小帯(じょうしんしょうたい)の基礎知識や注意点 をわかりやすく解説します。


◆ 赤ちゃんの歯磨きはいつから始める?

● 乳歯が1本でも生え始めたらスタート

赤ちゃんの歯磨きは 下の前歯が生え始める生後6か月頃 が目安です。
最初はガーゼで軽く汚れをふき取る程度から始め、徐々に歯ブラシへ移行していきます。

● 歯磨きを嫌がらないためのポイント

  • スキンシップの一環として楽しく行う
  • お口を触られることに慣れてもらうため、歯が生える前から 口周りを優しく触れる習慣 をつける
  • 歯ブラシは赤ちゃん用の ヘッドが小さく毛がやわらかいもの を選ぶ
  • ご家庭で歌や声かけをしながら、短時間で終わらせる

歯磨きの時間=楽しい時間 と思ってもらうことが長続きのコツです。


◆ 赤ちゃんの虫歯予防に大切なポイント

● 哺乳瓶う蝕を防ぐ

夜間に眠りながらの授乳や、ジュースを入れた哺乳瓶を長時間くわえる習慣は虫歯の原因になります。
可能な限り 寝る前のミルクは控えめに、飲んだ後はお口を軽く拭うようにしましょう。

● フッ素塗布を早期に取り入れる

乳歯はエナメル質が薄く虫歯に弱いため、定期的な フッ素塗布 がおすすめです。
赤ちゃんでも安全に行える処置で、歯質を強くし虫歯予防効果が期待できます。


◆ 上唇小帯とは?どんな役割があるの?

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上唇小帯とは、上唇と歯ぐきをつなぐスジの部分 のことです。
赤ちゃんはこの部分がしっかり張っていることが多く、成長とともに自然に位置が変わったり薄くなったりすることもあります。


◆ 上唇小帯が原因で起こる可能性のあるトラブル

● 前歯のすき間(正中離開)

上唇小帯が太くて長いと、 上の前歯の間が広がりやすくなる ことがあります。
ただし、永久歯が生える頃には自然に改善するケースも多いため、乳幼児期にすぐ心配する必要はありません。

● 歯磨きがしづらい・出血しやすい

小帯が歯の近くまで伸びていると、歯ブラシが引っかかったり、歯ぐきが傷ついて出血しやすくなることがあります。

● 授乳や離乳食でのトラブル

まれに上唇が上手く動かず、乳首を吸いにくい・哺乳量が少ない などが起こることもあります。


◆ 上唇小帯は切除したほうがいい?

結論:多くの場合は経過観察で問題ありません。

上唇小帯は成長とともに自然に短くなったり位置が変わることが多く、
現在の歯科では 乳幼児期の早期切除を推奨していません。

● ただし、このような場合は相談を

  • 歯ブラシがどうしても当てづらく虫歯リスクが高い
  • 永久歯が生え揃っても前歯のすき間が閉じない
  • 授乳に影響が出ていると医療者が判断した場合

切除の判断は、歯科医が成長に合わせて最適なタイミングを見極めますので、気になる場合はお気軽にご相談ください。


◆ 赤ちゃんの歯磨きと上唇小帯のまとめ

  • 歯磨きは 乳歯が生えたらすぐスタート
  • ガーゼ→赤ちゃん用歯ブラシへ徐々にステップアップ
  • フッ素塗布や定期検診で虫歯予防
  • 上唇小帯は多くの場合 成長に伴い自然に改善
  • 心配な場合は早めに歯科でチェックを

赤ちゃんのお口の成長は一人ひとり異なります。
「これって大丈夫?」と感じたときに気軽に相談できるかかりつけ歯科医院があると安心です。

記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀

044-750-7385