セラミックと保険適応のCADCAM冠の違いとは?どちらを選ぶべき?
歯の被せ物を選ぶ際、「セラミック」と「保険適応のCADCAM冠」の違いが気になる方は多いのではないでしょうか?どちらも見た目が白く、金属アレルギーの心配がない素材ですが、それぞれの特徴や適応範囲には違いがあります。本記事では、それぞれのメリット・デメリットを比較し、どちらが自分に合っているかを考えるポイントをご紹介します。
1. セラミックとは?
セラミック(陶材)は、自然な歯に近い色調や透明感を持つ素材です。主に「オールセラミック」や「ジルコニアセラミック」などの種類があり、審美性と耐久性に優れています。
セラミックのメリット
✅ 見た目が自然で美しい:天然の歯に近い透明感があり、色調の調整も可能。
✅ 変色しにくい:経年劣化による変色がほとんどなく、長期間きれいな状態を維持できる。
✅ 汚れが付きにくい:表面が滑らかでプラーク(歯垢)が付きにくく、虫歯や歯周病のリスクが低い。
✅ 金属アレルギーの心配がない:金属を使用しないため、アレルギー反応を起こす心配がない。
セラミックのデメリット
❌ 自費診療のため費用が高い(相場:1本 80,000~150,000円程度)。
❌ 衝撃に弱い:強い力がかかると割れることがある(特にオールセラミック)。
❌ 歯を削る量が比較的多い。
2. 保険適応のCADCAM冠とは?
CADCAM冠は、プラスチックとセラミックを混ぜた「ハイブリッドレジン」と呼ばれる素材で作られます。コンピューターによる設計・加工技術(CAD/CAM)を用いて製作されるため、従来の保険の白い被せ物(レジン冠)よりも強度が向上しています。
CADCAM冠のメリット
✅ 保険適応で費用が抑えられる(3割負担で約5,000~10,000円程度)。
✅ 金属を使わないため、金属アレルギーのリスクがない。
✅ 従来のレジン冠より耐久性が向上している。
CADCAM冠のデメリット
❌ 適応範囲が限られる(基本的に小臼歯、大臼歯の条件付き適応)。
❌ セラミックに比べて透明感が低く、色の再現性が劣る。
❌ 経年劣化で変色しやすい。
❌ セラミックよりも耐久性が低く、割れたりすり減ったりしやすい。
3. どちらを選ぶべき?
✔ 見た目の美しさを重視するなら「セラミック」
・前歯など、審美性が求められる部分に適しています。
・長期間、美しい状態を保ちたい人におすすめ。
✔ 費用を抑えつつ白い歯にしたいなら「CADCAM冠」
・小臼歯や条件付きで大臼歯に保険適応されるため、コストを抑えながら金属を使わずに治療できる。
・多少の変色や耐久性に妥協できるなら選択肢として有力。
まとめ
セラミックと保険適応のCADCAM冠は、それぞれにメリット・デメリットがあります。
「とにかく見た目を重視したい」なら セラミック、「費用を抑えつつ金属を使わない被せ物を選びたい」なら CADCAM冠 がおすすめです。どちらを選ぶべきか迷ったら、歯科医師に相談し、自分の歯の状態やライフスタイルに合った治療法を選びましょう!
記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀