妊娠中でも歯科治療は大切!でも注意すべきポイントも
妊娠中はホルモンバランスの変化などにより、歯ぐきの腫れや出血、虫歯・歯周病のリスクが高まります。しかし、妊婦さんへの治療には母体と胎児への配慮が必要なため、治療内容によっては制限されることがあります。今回は、妊婦さんが避けた方がよい治療や注意点についてご紹介します。
1. レントゲン撮影は基本的に慎重に
歯科のレントゲンは放射線量が非常に少なく、防護エプロンを使用すれば胎児への影響はほとんどありません。しかし、妊娠初期は特に慎重に判断されることが多く、緊急性がない限り撮影を控えることがあります。
2. 強い痛み止め・抗生物質の使用制限
妊娠中は使用できる薬剤が限られます。特に妊娠初期(0〜12週)には胎児の器官形成が行われるため、薬の影響が心配されます。処方される際は、妊婦さんにも安全とされている薬が選ばれます。
3. 麻酔も選び方に注意が必要
歯科で使われる局所麻酔薬の多くは妊婦さんにも使用可能ですが、添加されている血管収縮剤の量などに配慮して使用されます。必要最低限の使用にとどめるのが基本です。
4. ホワイトニングや審美治療は産後に
ホワイトニングやセラミック治療などの審美目的の治療は、基本的に急ぐ必要がないため、妊娠中は控えることがすすめられます。安全性のデータが十分でないことも理由です。
5. 外科的処置は原則として応急対応にとどめる
抜歯やインプラントなどの外科処置は、出血や痛みが伴い体への負担が大きいため、よほどの緊急性がない限り、安定期以降でも応急処置にとどめることが多いです。
妊娠中でも安心して歯科に相談を
妊娠中の歯科治療はタイミングと治療内容の選び方が大切です。治療の可否は個々の状況によって異なりますので、不安なことがあれば遠慮なく歯科医師にご相談ください。妊娠中でも安全に治療を進められるよう、しっかりとサポートいたします。
記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀