夏紀先生のキレイな歯相談室

歯の神経が死ぬとどうなる?放置による口の中の悪影響とは

こんにちは!まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。私たちの歯の中には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経があります。この神経は歯に栄養を運び、外部からの刺激を感じる役割を持っています。ところが、虫歯や外傷、重度の歯周病などが原因で神経が死んでしまうと、さまざまな口腔内トラブルが引き起こされます。

今回は、歯の神経が死んでしまうことで起こる悪影響についてご紹介します。


1. 歯が黒ずんでくる

神経が死んだ歯は、時間とともに徐々に変色していきます。健康な歯が白いのに対し、神経が死んだ歯はグレーがかった色や茶色っぽい色に変わってしまうことがあります。これは、歯の内部に血液やたんぱく質の成分が残り、酸化して変色するためです。

見た目の問題だけでなく、審美的な印象も損なわれやすいため、前歯など目立つ部位では特に気になる症状です。


2. 歯がもろくなる

神経を失った歯は、栄養が届かなくなるため強度が低下し、もろくなってしまいます。その結果、硬いものを噛んだときに歯が割れる・欠けるといったリスクが高まります。場合によっては抜歯せざるを得ないこともあるため、注意が必要です。


3. 根の先に膿がたまる「根尖病巣」

神経が死んだ歯の内部には細菌が繁殖しやすくなり、**根の先に膿がたまる「根尖性歯周炎」や「根尖病巣」**という病気が起こることがあります。

膿がたまると、

  • 噛むと痛い
  • 歯ぐきが腫れる
  • 発熱や倦怠感が出る
    などの症状が現れ、放置すると顎の骨にまで感染が広がる危険性もあります。

4. 自覚症状が出にくく、発見が遅れる

神経が死んでしまうと、痛みを感じなくなるため、異常に気づきにくくなります。そのため、症状が進行しても「痛くないから大丈夫」と放置してしまい、気付いたときには重症化しているケースも少なくありません。


まとめ:神経を守ることが健康な歯を保つカギ

歯の神経が死んでしまうと、見た目の問題・機能の低下・感染症のリスクなど、さまざまな悪影響が生じます。こうした事態を避けるためには、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療がとても大切です

当院では、定期検診を通じて皆さまの大切な歯を守るサポートを行っています。「痛くないから大丈夫」と思わず、ぜひ定期的なチェックを心がけましょう。

記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀

044-750-7385