こんにちは!まつおか歯科院副院長の松岡夏紀です。元気いっぱいに遊ぶ子供たち。ちょっと目を離したすきに転倒して前歯をぶつけてしまうというのは、実はよくある事故です。とくに3〜6歳頃は、バランス感覚が未熟なこともあり、顔から転ぶケースも少なくありません。
今回は、子供が転んで前歯を折ってしまったときに、自宅でできる緊急対処法をご紹介します。万が一に備えて、ぜひご家族で知っておきたい内容です。
折れた歯がある場合の対処法
まず、折れた歯のかけらが見つかった場合は捨てずに保管しましょう。状態によっては、元通りに接着できることもあります。
【歯のかけらの保存方法】
- 乾燥させないことが大切です
- 清潔な容器に入れ、以下のいずれかに浸して保管します
- 牛乳
- 生理食塩水
- 口の中(大きな子どもや大人の場合)
- 歯科医院で配布される「歯の保存液」があればベスト
歯がぐらついている/グラグラしている場合
歯が動揺しているときは、無理に触ったり動かしたりせず、できるだけ安静にして、速やかに歯科医院を受診してください。
出血している場合の止血方法
出血している場合は、清潔なガーゼやハンカチを使って、優しく圧迫止血します。5〜10分ほどで止まるのが一般的ですが、なかなか止まらない場合は救急対応が必要です。
痛みが強い場合の対処
子供が強く痛がっているときは、冷たいタオルや保冷剤をタオルで包んで頬の外側から冷やすと、痛みや腫れを軽減できます。
※痛み止めを使用する際は、年齢に合った市販薬か、医師の指示に従いましょう。
歯が完全に抜けた(脱臼)場合
歯がまるごと抜けてしまったときは、歯の根元を触らずに持ち、保存液または牛乳に浸してできるだけ早く歯科医院へ。
時間との勝負になりますので、30分以内の受診が理想的です。
歯科医院に持っていくべきもの
- 折れた歯のかけら(乾燥させない)
- 保険証・医療証
- 子供が使用しているお薬がある場合はお薬手帳
- 事故状況を記録したメモ(いつ、どこで、どのように転倒したか)
最後に:まずは落ち着いて行動を
突然のケガに驚くとは思いますが、親が落ち着いて対処することが子供の安心につながります。少しでも早く歯科を受診し、適切な処置を受けることで、将来の歯への影響を最小限に抑えられます。
当院でも外傷による歯のトラブルに対応しています。何かあればすぐにご相談ください。
※この記事は一般的な応急処置について解説したものであり、症状によっては異なる対応が必要な場合があります。必ず歯科医師の診察を受けてください。
記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀