予防歯科

【予防歯科の基本】なぜフロスが重要なの?歯医者が教える“歯間ケア”の本当の理由

フロスは“予防歯科の主役”です

こんにちは!まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。皆さんは毎日の歯みがきで**デンタルフロス(糸ようじ)を使っていますか?
歯ブラシだけでは落としきれない汚れが、実は
お口の中の約40%**も残っているといわれています。
この汚れを取り除けるのが、フロスを使った歯間ケアです。

予防歯科の観点から見ると、フロスは「補助的」ではなく「必須のケアアイテム」なのです。


1. フロスでしか届かない“歯と歯の間”の汚れ

虫歯や歯周病は、歯の表面よりも**歯と歯の間(歯間部)**から始まることが多いです。
歯ブラシの毛先はこの細いすき間には届きにくいため、歯垢(プラーク)が残りやすい場所です。

フロスを通すことで、この歯間部のプラークを物理的に除去できます。
実際、フロスを使う人と使わない人では、虫歯や歯肉炎の発生率が2倍以上違うという研究結果もあります。


2. フロスで歯ぐきの健康を守る

歯と歯ぐきの境目(歯肉溝)に汚れが溜まると、歯肉炎や歯周病の原因になります。
フロスを使うことで、この部分の汚れも優しく取り除けるため、
・歯ぐきの腫れ
・出血
・口臭
の改善にもつながります。

特に、歯周病予防を重視するスウェーデンなどの“予防大国”では、国民の多くがフロスを日常的に使用しています。


3. フロスを習慣化すると虫歯の再発も防げる

治療した歯の詰め物や被せ物の周りは、汚れが溜まりやすく虫歯の再発リスクが高い部分です。
フロスを習慣にしておくと、こうした**二次虫歯(再発虫歯)**の予防にも効果的です。

また、歯列矯正中の方や、歯が密集している方も、フロスを活用することで汚れ残りを防ぐことができます。


4. 歯ブラシ+フロスで“予防効果1.5倍”

アメリカ歯科医師会(ADA)や日本歯科医師会も、歯ブラシとフロスの併用を推奨しています。
歯ブラシだけのケアよりも、フロスを併用した方がプラーク除去率が約1.5倍に向上すると報告されています。

つまり、フロスを使うだけで、あなたの毎日の歯みがき効果が大きくアップするのです。


5. フロスは「夜の使用」が特におすすめ

1日の中で最も大切なのは、就寝前のフロス習慣です。
寝ている間は唾液の分泌が減るため、細菌が増殖しやすくなります。
寝る前にフロスで歯間をきれいにしておくことで、虫歯・歯周病・口臭を効果的に防ぐことができます。


6. フロス初心者でも簡単!使い方のコツ

フロスには「糸タイプ」と「ホルダータイプ(持ち手付き)」があります。
初心者の方はホルダータイプがおすすめです。
使うときは以下のポイントを意識しましょう👇

  1. 歯と歯の間にゆっくり滑り込ませる
  2. 歯の側面に沿わせて「C字」に動かす
  3. 歯ぐきを傷つけないように優しく動かす

1日1回、寝る前の習慣として取り入れてみてください。


まとめ:フロスは“最強の予防ツール”

予防歯科を実践するうえで、フロスは欠かせない存在です。
歯ブラシだけでは落とせない歯間の汚れを取り除き、虫歯・歯周病・口臭のリスクを減らします。

当院でも、患者さま一人ひとりに合ったフロスの使い方や種類の選び方をアドバイスしています。
「正しいフロスケアを知りたい」「自分に合うフロスを教えてほしい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀

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