糸ようじとフロス、実は“同じもの”ではありません
こんにちは!まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。「糸ようじ」と「デンタルフロス」、どちらも歯と歯の間をきれいにする歯間清掃具ですが、形や使い方、得意な部位に違いがあります。
正しく使い分けることで、虫歯や歯周病の予防効果が大きく変わるのです。
1. 糸ようじとは?──持ち手付きで使いやすいタイプ
糸ようじとは、持ち手のついたフロスのことを指します。
正式には「フロスピック」や「ホルダータイプフロス」とも呼ばれ、プラスチックの持ち手に糸が張ってある形をしています。
糸ようじの特徴
- 片手で使えるため、初心者でも簡単
- 奥歯にも届きやすいデザインが多い
- 外出先でも使いやすく、携帯にも便利
糸ようじのデメリット
- 糸の長さが固定されており、使い回すと汚れを再び歯間に戻すことがある
- 歯と歯の間のカーブにフィットしづらく、細かい部分の汚れが残ることも
💡おすすめの人
・フロス初心者の方
・奥歯に届きにくい方
・忙しくて短時間でケアしたい方
2. フロスとは?──糸のみのタイプで細部までしっかりケア
一方のデンタルフロスは、糸だけのタイプです。
指に巻き付けて使う「ロールタイプ」や「カット済みタイプ」があり、より繊細な操作が可能です。
フロスの特徴
- 自分で糸の長さを調整でき、常に清潔な部分でケアできる
- 歯の側面にぴったり沿わせてC字カーブで動かすことで、歯垢をしっかり除去
- 細い歯間にも入りやすい
フロスのデメリット
- 両手を使うため、慣れるまで少し難しい
- 奥歯や狭い歯間は扱いにくいことがある
💡おすすめの人
・歯と歯の間が狭い方
・丁寧に時間をかけてケアしたい方
・虫歯や歯周病のリスクをしっかり減らしたい方
3. 糸ようじとフロスの違いを比較してみよう
| 比較項目 | 糸ようじ(ホルダータイプ) | フロス(ロールタイプ) |
|---|---|---|
| 使いやすさ | 初心者向け・片手で簡単 | 慣れが必要・両手で使用 |
| 清掃力 | やや弱め(広い範囲の汚れに向く) | 高め(細部の汚れを落とす) |
| コスト | 使い捨てでコスパはやや低め | 1回分が安く経済的 |
| 持ち運び | 便利・外出先でも使いやすい | 家でじっくりケア向け |
| おすすめ対象 | 手軽にケアしたい人 | 丁寧に歯間ケアしたい人 |
4. どっちを使えばいい?歯科医のおすすめは「使い分け」!
結論から言うと、
👉 どちらが優れているというより、使うシーンで選ぶのがベストです。
【理想的な使い方】
- 日常ケアでは糸ようじでサッと清掃
- 週に数回はフロスで丁寧にケア
こうすることで、時間がない日も歯間の清掃をサボらずにすみ、汚れの蓄積を防げます。
また、歯並びや歯の形によっても最適なツールは変わるため、歯科医院で相談するのが安心です。
5. フロス・糸ようじを使うことで得られる予防効果
歯ブラシだけでは落としきれない歯間のプラーク(歯垢)を除去することで、
- 虫歯の発生リスクを大幅に減らせる
- 歯周病の進行を防げる
- 口臭の原因菌を減らせる
というメリットがあります。
歯ブラシ+フロス(または糸ようじ)=最強の予防ケアです。
6. フロス・糸ようじを正しく使うポイント
- 毎日1回は使用(特に寝る前)
- 歯ぐきを傷つけないように優しく動かす
- 血が出ても継続(数日で歯ぐきが健康になり止まります)
当院では、初めての方にもわかりやすく正しいフロスの使い方をお伝えしています。
「フロスがうまく入らない」「どの糸ようじを選べばいいかわからない」という方も、ぜひご相談ください。
まとめ:自分に合った歯間ケアを続けることが一番の予防
糸ようじもフロスも、正しく使えばどちらも効果的な予防ツールです。
重要なのは「毎日続けること」。
自分の歯並びやライフスタイルに合った方法で、虫歯・歯周病ゼロを目指しましょう。
当院では、患者さま一人ひとりに合わせた歯間ケア指導・予防プランをご提案しています。
気になる方はお気軽にご相談ください🦷✨
記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀