こんにちは!まつおか歯科医院副院長の松岡夏紀です。
歯列矯正を検討している方からよくある質問のひとつが、
**「親知らずは抜いたほうがいいの?」**というものです。
実際、矯正治療をスムーズに進めるために、親知らずの抜歯を勧められるケースは少なくありません。
この記事では、親知らずと矯正治療の関係性、抜歯が必要な理由やタイミングについて詳しく解説します。
親知らずとは?矯正に影響する理由
親知らず(智歯)は、奥歯のさらに奥に生えてくる永久歯で、一般的に18〜25歳ごろに生えてきます。
しかし、現代人の顎は昔よりも小さくなっているため、親知らずが正しい位置に生えにくい傾向があります。
その結果、以下のような問題が起こることがあります。
- 斜めや横向きに生えて、手前の歯を押す
 - 歯並び全体を圧迫して、前歯がガタガタになる
 - 歯ぐきの炎症や虫歯を引き起こす
 
このように、親知らずの生え方によっては矯正後の歯並びが後戻りしてしまうリスクもあるのです。
親知らずを抜歯したほうがいいケース
すべての親知らずを抜く必要があるわけではありません。
以下のような場合には、抜歯を検討したほうがよいとされています。
- 親知らずが横向き・斜めに生えている
 - 奥歯を押して、歯並びに影響を与えている
 - 矯正で奥歯を後方に動かす予定がある
 - 部分的に歯ぐきに埋まっていて、炎症を繰り返している
 - 矯正後の「後戻り」を防ぎたい
 
矯正治療後に歯列が乱れないようにするためにも、
事前のレントゲン診断で親知らずの位置を確認し、必要に応じて抜歯を行うのが一般的です。
抜歯のタイミングはいつがベスト?
親知らずの抜歯は、矯正治療の前に行うのが理想的です。
抜歯後の腫れや痛みが落ち着くまでに1〜2週間ほどかかるため、
治療スケジュールに余裕をもって計画することが大切です。
もし親知らずが完全に埋まっている場合は、
口腔外科での抜歯が必要になることもあります。
矯正開始前に一度、歯科医院でCT撮影や診査を受けておくと安心です。
親知らずを残しても大丈夫なケース
一方で、次のような場合は無理に抜歯する必要はありません。
- まっすぐ正しく生えていて噛み合わせに問題がない
 - 将来的にブリッジなどの支えとして利用できる可能性がある
 - 顎のスペースに余裕がある
 
矯正治療を担当する歯科医が、全体のバランスを考慮して抜歯の要否を判断します。
まとめ:矯正前には親知らずのチェックを!
親知らずは、矯正治療の仕上がりや安定性に大きく関わる歯です。
生え方や位置によっては、歯並びを乱したり後戻りの原因になったりするため、
矯正を始める前に必ず歯科医院で確認してもらいましょう。
当院では、CT撮影による精密な診査を行い、
一人ひとりに合わせた矯正治療と親知らずの対応をご提案しています。
矯正をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
記事監修:歯科医師 まつおか歯科医院副院長 松岡夏紀